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初期の江戸幕府にとって脅威だったのは、豊臣家であり、次いで大きな領土を持つ北陸の加賀前田家や仙台伊達家などでした。 彼等は大名鉢植え政策でもその地に生き存えましたが、常に常在戦場状態だった事は確かです。 特に、加賀前田家は徳川家よりも少ない禄高ながら100万石と言う莫大な領地を持つ国持大名ですから、特に幕閣から睨まれ、江戸初期の頃は、幕府対策に腐心していました。 当時、金沢では大火災が頻発していました。 1602年には天守閣を焼失し、1620年本丸の一部を焼失、更に、1632年4月14日朝10時頃、金沢城下犀川大杉詰の法船寺門前から出火し、折からの南西の強風に煽られて忽ち民家を灰燼に帰し、遂に10余丁隔てた前田利常の居城まで飛び火し、金沢城は焦土と化し、火の手は城下を抜けて遙か浅野川を超えて漸く翌朝に鎮火すると言う大火災が起きています。 まぁ、この辺り、幕府の手の者による付け火で…なんてのは南條範夫の伝奇小説になっていくので、原因の追及はしませんが…。 こうした頻発する火災を対応する為に、防火目的並びにいざ幕府軍が攻め込んできた時の軍略的水道として開削されたのが、辰巳用水でした。 この水道は、金沢が灰燼に帰した1632年の夏から急遽開削が行われ、江戸の玉川上水よりも22年早い1633年に完成しています。 辰巳水道は水源を犀川の上に求めました。 利常が内々協議していたところ、小松の町人出身で能登の小代官になっていた板屋兵四郎と言う人物が、算数に長け、水利に明るいと言う事を聞き、彼を招いて計画を立て、1632年から施工させた訳です。 この工事が1年で竣工したのは、人夫に1日4食を与えて未明から夜に入るまで連日急ぎ施工させた為で、加賀では以後、火急の工事のことを「四度食の普請」と言うようになったとされています。 この用水の水源は、金沢から2里離れた石川郡犀川村字上辰巳地先を流れる犀川の水で、取水口は、辰巳の上流にある大字覗から対岸の相合谷に通じる村道の崖下にあり、道路からは見えない岩の間です。 この付近は険しい崖がそそり立ち、川が曲がって自然の淵を為していました。 兵四郎は、固い岩盤を刳貫いて隧道を掘削し、取水口から繋げています。 隧道は犀川末まで約1,500間(約3km)に及び、8月に工事を始めて半年で開通させました。 水路はその後、山を潜り、村の地下を潜り抜け、字中辰巳では、人家の下20数尺の岩石の中を貫通しています。 犀川字末辺りになると、田の地下20数尺の下を通していました。 こうして、水は犀川村、崎浦村を経て小立野台に流れ込み、本流は上野町、小立野、新川、上石引町、中石引町を経て兼六園に入っており、その総延長は2里40間余(約8km)に及びます。 兼六園からは2分し、1つは城内に、もう1つは市内の池、溝渠に流れ入り、最下流は七ツ屋町でこの流路の長さが34町35間余(約4km)で別に分流を3つ造り、城下の武家居住地域や町人居住地域を縦断、或いは横断しています。 金沢城内への給水は、兼六園の高台(標高53.6m)から急に低くなっている百間堀を経て、再び城内二の丸の高台(標高50.2m)までの落差3.4mを利用して逆サイフォンを用いて送水され、この部分の管の最低部である石川橋の土中には常に約1.2kgの水圧が掛かっている巧妙な仕掛けが用いられています。 兵四郎は松の木を削って四角い樋を造り、これに蓋をした管を使いましたが、漏水の為、後に松丸太に丸い穴を開けた管に取り替えられ、1843年以降は石管に取り替えられました。 石管の長さは平均1m、断面は1辺約40cmの正方形で真ん中に約118.5cmの穴が刳貫いてあり、材質は富山県庄川上流で採掘される金屋石が使われています。 石管の両端は二重の円となって凸凹の溝を造り、それで接合出来るようになっており、石管と石管の継目には松脂や檜わたをパッキンに塗って、漏水を防ぐ工夫が為されています。 この兵四郎、こうした大工事を完成させ、さぞかし後に抜擢されたかと思いきや、1636年10月9日夜に何者かの凶刃に倒れ悲惨な最期を遂げました。 尤も、これだけ巧妙な仕掛けを作ったので、その秘密が流出することを恐れた首脳に暗殺されたよ説もありますが。 因みに、兵四郎の死後、大風雨が頻りに起こるので、1638年に河北郡袋村の八幡神社に袋の神として祀られ、近年までもこの怒りに触れると、暴風雨になると言われていました。 一方で、彼がいないと修理損傷の時の対応に困るので、首脳が幕府に殺されないように、殺された様に見せかけ、実は別の場所で生きて1640年に死去したとも言われ、彼の生涯は謎に包まれています。 |
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鼻毛を伸ばそうってことですね わかります |
島の人 2008/11/03 21:51 |
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