Dewey Readmore Books

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明日は休日出勤なので、ここんとこ調子の悪かった頸椎の牽引とか、定期検診とかで1日が暮れていきました。
で、定期検診は、結構待ち時間が掛かるので、適当に本を持って行ったのですが、午後から医者が始まるまでに時間があったので、本屋を冷やかしてみていると、早川書房のハードカバーの表紙が目について、その可愛さに惚れてついついレジに持って行ってしまいました。

とあるアイダホの小さな街にある図書館の元館長さんが書いた本で、自分が25年を過ごした図書館について書いたものです。
これだけなら何と言う事はない普通の自叙伝だったりします…ある1点を除いて…。

1988年1月18日、アイダホにあるスペンサーと言う人口1万人未満の小さな街にある図書館に出勤した作者は、図書の休日返却ボックスに投げ込まれた子猫を発見します。
その日の朝は零下15度、発見された時、この猫は凍傷にかかり、酷く痩せ、死にかけていました。
しかし、幸運にも発見が早く、猫好きの作者始めスタッフの人たちによって介抱され、治療を受け、生き延びる事が出来ました。

以後、彼が天寿を全うするまで18年間に渡り、図書館で飼われた、所謂、「図書館猫」としてスペンサー中の人々に可愛がられ、日本にまで紹介される事になりました。
彼の名は、最初、Deweyとだけ呼ばれていましたが、後に公募により、Dewey Readmore Booksと名付けられました。

最近は日本でも猫ブームで、ねこ駅長とかねこカフェとか色々出て来ていますが、彼はその元祖でしょうか。

話は、この猫を巡る様々な出来事を縦糸にして、作者の生い立ちや司書になった切っ掛け、司書という仕事、図書館長としての仕事、家族との関係、病魔との戦いと言ったプライベートな話と、街の出来事を織り交ぜて書かれており、米国版の一種地域興しの指南書とでも言うべき内容でもあります。

面白いのは、途中途中に挟まれているDeweyに纏わるこぼれ話的なもので、一番笑えたのは、『図書館を運営する猫の基本的ルール』と題されたコラムです。
『図書館に飼われている猫…』ではないのがミソで、「図書館で一番偉いのは誰か、それは人間ではなく猫である」と言う皮肉めいたものになっています。

勿論、こうした図書館にいる猫の存在価値は絶大で、ハンディキャップのある人たちとのスキンシップによる症状の改善とか、猫を介しての親子の会話の円滑化、独居老人やホームレスの人に対する癒しと言った面も無視出来なかったりする訳です。

当然、こうした話は、マスコミさんが格好のネタにする訳で、何度も各国の猫雑誌に載っていたり、中には1分30秒の映像を作る為だけに、受信料を使って撮影スタッフを引き連れ、アイダホの田舎町まで来て、1日掛けてDeweyに演技を付けようと四苦八苦して撮影を繰り広げた某国の公共放送のディレクターもいたそうで、そんな話もしっかりと載っています。

街の人々は余り宣伝をしなかったにも拘わらず(日本だったら、忽ち写真集が出たり、姿形を象った人形焼きとかが出るのでしょうが)、口コミによってDeweyの名は広がっていき、それと共に、スペンサーと言う町の名前も有名になりました。
図書館の理事が、ミシガンにある大学の新入生の両親歓迎会でニューヨークの夫婦と会話を交わした時、そして、別の理事が南太平洋で船旅をしている時、
 「アイオワからですって?スペンサーと言う町にあるDeweyと言う猫を御存知?」
 「私がその図書館の理事をしていまして…」
と言う事で、すっかりスペンサーと言う人口1万に満たない街が有名になり、其処から出て行った人も故郷を懐かしみ、或いは故郷は誇りが持てる存在となったと言う効果もあった様です。

何しろ、日本からわざわざ撮影スタッフが来るくらいですし…(皮肉。

『図書館ねこ デューイ ~町を幸せにしたねこの物語』と言うこの本は、泣いたり、笑ったり、感動したり、中々面白い本で、すっかり引き込まれてしまい、珍しく一気に読み終えてしまいました。

図書館ねこ デューイ ―町を幸せにしたトラねこの物語
早川書房
ヴィッキー・マイロン

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