備忘録-SDBとSAS

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今日は本当に久々に、12時過ぎまでガチで寝てしまいました。
で、午後は買ったBlu-rayを見て、ネットの番組を見たりしていたのですが、結構寒かったり。
なので、今日の夕飯は久々の鍋物でした。

睡眠関連呼吸障害群には様々なタイプがあります。
その中でも睡眠呼吸障害(SDB)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は異なった概念で、両者は使い分ける必要があります。
SDBは自覚症状の有無に関わらず、AHIが5以上である事を指します。
SASはAHIが5以上のSDBに日中傾眠、中途覚醒、倦怠感などのSAS関連症状を伴う時に診断されます。
但し、ICSD-2ではAHI15以上のSDBに関しては症状の有無に関わらずSASと診断する事を提唱しています。
この際のSASとは咽頭、喉頭の狭窄・閉塞(窒息)によって起こる閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の事を指し、中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)は慢性心不全の様な特殊なグループを対象としない限り、全体の1~2%に過ぎません。

米国睡眠医学会(AASM)は1999年のタスクフォースレポートでSDBを4つの分類にわけています。
即ち、OSAS、CSAS、CSBS、SHVSの4種です。
ICSD-2では、睡眠関連呼吸障害群は12の診断カテゴリーに分類していますが、上記の4疾患以外は極めて稀な疾患や病態です。

この中で最も多い症例がOSASです。
これは、睡眠中に繰り返し発生する部分的或いは完全な上気道の閉塞によって特徴付けられるもので、呼気努力にも関わらず呼吸流量の減少、即ち、低呼吸という状態か、停止、即ち、無呼吸というと言う形で現れます。
肺に空気が入らないと、肺の中の酸素飽和度の低下を来たし、長時間続くと炭酸ガス分圧(PaCO2)上昇を招きます。
これらの呼吸イベントは、普通覚醒反応により終了します。

これを診断する基準として、従来は1976年に策定されたGuilleminaultCと言う基準を用いていました。
無呼吸は鼻孔及び口のレベルでの10秒以上の気流停止、SASは7時間の睡眠中に少なくとも30回(=1時間に5回以上)の無呼吸がREM睡眠時だけでなく、non-REM睡眠時に発生する時の2つの条件に当てはまれば、OSASと診断されたのですが、これは低呼吸について全く触れられておらず、且つ、症状の有無についても配慮が成されていません。
現在では、低呼吸も低酸素血症や覚醒反応を伴うので、無呼吸と同じ程度に病的な意義を持つと言う考え方です。
こうした、無症状で潜在的にSDBを持つ健常人は極めて多く、これだけで診断すると中高年の4分の1がSASになってしまうそうです。

なので、この基準は用いるべきでは無く、万一、この基準で診断が下されたとすれば、その医者は換えた方が良いということになります。

その後、1999年にAASMが新たな診断基準を設けました。
これは、臨床症状とPSG所見を合わせて診断するもので、診断基準として日中傾眠がある事、睡眠中の窒息感や喘ぎ呼吸、睡眠中の頻回の覚醒、熟睡感欠如、日中の倦怠感、集中力欠如の5つの中で2つ以上がある事、そして、PSGで睡眠中1時間に5回以上の閉塞型呼吸イベント、これは閉塞型無呼吸か低呼吸、或いは呼吸努力関連覚醒(RERA)のどちらかの組合せがある事と言う3つの条件の中で最後の条件と最初のどちらかの条件が組み合わされば、OSAS診断とすると言うものです。

この診断基準は妥当な診断基準とされ、日本を含む世界の主流基準となっています。
但し、この診断条件の中で、RERAが含まれるのが問題視されています。
と言うのも、RERAの成立イベントはイベントの持続時間が10秒以上である事、そのイベント内容は食道内圧の低下とされているためです。
つまり、食道内圧の計測をしないとイベントが成立しない訳で、結構ハードルが高いものになっています。
そこで、大多数の施設では、食道内圧の低下の計測は、努力目標となっている状況になっています。

2005年にAASMが改訂したICSD-2は、OSASの診断基準が従来の「AHIが5以上+日中過眠などの臨床症状を持つもの」だけでなく、「症状の有無に関わらずAHI15以上のSDB」をISASと診断するものとなっています。
これは症状の乏しいSDBでも、高血圧症や心血管障害、脳血管障害、心不全の発症リスクとなる危険性が指摘されており、特にAHI15以上のSDBを心血管障害の一次予防対象にすべきであると言う意味が込められていますが、これらの方策や有効性に関するデータが少ないのが現状です。

睡眠中の呼吸障害を評価する場合は、低呼吸をどの様に定義するのかが重要になります。
低呼吸の定義によっては、AHIが数倍から10倍以上にまで違ってくる事になってしまうためです。
サーミスタや、サーモカップル、圧力センサなどのエアフローセンサによる呼吸気流の変化は、換気量とは送還しないことが分かってきており、低呼吸は少なくとも酸素飽和度の低下との組み合わせて定義しなければなりません。
酸素飽和度が低下しなくとも、脳波上の覚醒反応を伴う場合には低呼吸とすべき事が多いのですが、覚醒反応には判定者の主観が入り込みやすく、再現性に乏しいとされていて、現在はresearch definition及びclinical definitionと言う2つの診断基準が用いられています。
因みに、日本の施設では前者が多用されていますが、後者はスコアリングの再現性が良く、米国の多施設共同大規模疫学研究ではこの基準が採用され、米国の保健医療制度でもこの基準が適用されています。
また、AASMの新しいPSGスコアリングマニュアルでもclinical definitionが推奨されており、その際の無呼吸はサーミスタセンサ、低呼吸は圧センサを用いることが推奨されています。

なお、research definitionで診断されたAHIは、心血管障害との間に関連性があるか否かに関してのデータは無く、2つの診断基準の内で、どちらが昼間眠気や認知機能、QOLと関連性が強いのかは明らかにされていません。
一般的には30~50%以上の呼吸気流か呼吸運動の低下と3~4%以上の酸素飽和度の低下(あるいは覚醒反応)の組合せで低呼吸と診断します。
覚醒反応のみを伴う呼吸イベントを加えなくても良いのですが、用いた基準は明確にしなければなりません。

この様に無呼吸や低呼吸に関する2つの定義が並立している状況のため、診断基準がまちまちになっているのが、日本の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断基準の現状だったりします。

ついでに、重症度に関しては、眠気の程度、或いはPSGによるAHIによって判定し、何れか重症な方を執る事になっています。

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